ワイン初心者やワインは苦手という方でも、飲みやすいものや方法を知ればきっとワインを楽しめます。
今回は、ワインの美味しい飲み方や飲みやすくする方法をご紹介します。
まずは“飲みやすい”ワインを選ぼう
ワインを選ぶときに、次のことを参考にしてみると自分の飲みやすいものに出会えるかもしれません。
●まずは白ワインから
赤ワインの特徴ともいえる「渋み」は、日本に渋みのある料理が多くないこともあり、日本人にとってそもそもなじみにくいものだといわれています。
もちろんこの渋みが好きだという人もたくさんいるのですが、あまりワインを飲みなれていない方やワインに苦手意識を持っている方は、まずは白ワインから試してみるのがおすすめです。
赤ワインとは違って渋みがあまりなくすっきりとした味わいの白ワインの方が、初めは親しみやすく、飲みやすいと感じるのではないのでしょうか。
●甘口のものを選ぶ
先ほどご紹介した白ワインでも、「酸味が強めのものは苦手」という方は、甘口のものを選ぶのがよさそうです。
「甘さ」は、人間が美味しいと感じる味覚の一つともいわれているため、口触りもよく飲めるのではないでしょうか。
また、「デザートワイン」と呼ばれるワインがあるほど、甘いワインは世界的にも人気があります。
デザートワインの定義は国によって様々ですが、一般的にはデザート代わりに飲んだりスイーツなどと一緒に楽しんだりするような甘口のワインのことを指しています。
●アルコール度数で選ぶ
飲みやすいワインを探すときには、アルコール度数にも気をつけたいところです。
特にお酒に弱い方は、アルコール度数が低めのものを選んで無理せず飲みたいですよね。
一般的なワインのアルコール度数は約10~15度といわれていますが、それ以下のものもたくさんあります。
また、スパークリングワインにもアルコール度数が低めのものが多いので、探してみるとよいかもしれません。
ワインを飲みやすくする方法① カクテルにする
美味しくアレンジするというのも、ワインを飲みやすくする方法としておすすめです。
混ぜるものや分量を変えることでワインの渋みやアルコール度数を調整することもできるので、自分の好みに合う飲み方が見つけられるかもしれません。
ワインにぴったりのカクテルをいくつかご紹介します。
●赤ワインのカクテル
【アメリカン・レモネード】
名前の通り、赤ワインをレモネードで割るカクテル。
レモンの酸味やシロップの甘さで渋みが抑えられるので、赤ワインが飲みやすくなります。
ガムシロップとレモン汁、水でグラスの半分程度の量のレモネードを作ったら、そこに赤ワインを注ぎます。
このときに静かに赤ワインを注ぐと、レモネードとワインが2層になり、見た目がとてもきれいなカクテルになります。
●白ワインのカクテル
【オペレーター】
白ワインにジンジャーエールを加えた、さっぱりとして清涼感のある口当たりが飲みやすいカクテルです。
作り方はとてもシンプルで、白ワインとジンジャーエールを合わせるだけ。
カットレモンやレモン汁があれば、加えるとさらに爽やかになります。
白ワインの甘口・辛口とジンジャーエールの甘口・辛口の組み合わせを変えて、味わいを変化させてみても楽しそうです。
●赤ワインでも白ワインでも
【サングリア風フルーツカクテル】
サングリアとは、ワインをオレンジジュースなどで割り、カットしたフルーツを漬け込んだワインカクテルのことです。
甘いジュースやフルーツを使えば、渋みのあるワインでも美味しく飲むことができます。
柑橘系やベリーなど、フルーツは好きなものでOKです。
一口大にカットしたものをグラスに入れたら、ワインとジュースを注いで飲みましょう。
ワインを飲みやすくする方法② 料理との組み合わせを楽しむ
ワインは、美味しい料理に合わせてゆっくりと飲むのが楽しいものです。
「ワインそのものの味が少し苦手」という初心者の方でも、ワインに合う料理と一緒に味わうことで美味しさを感じられるはずです。
●赤ワインには濃厚なガッツリ系の料理を
まずは赤ワイン。渋みと重厚感が特徴的な赤ワインには、ガッツリした肉料理や濃厚な煮込み料理がよく合います。
たとえば、濃厚ソースをかけたステーキとワインを合わせれば、こってりとした肉の味わいに赤ワインの渋みが相性抜群です。
●白ワインにはさっぱりとしたスッキリ系の料理を
白ワインに合うのはスッキリとした味わいの料理。カルパッチョや刺身などのフレッシュな食べ方がよく合います。
特にヒラメやタイなどの淡白な白身魚は相性抜群。
揚げ物などの油を使った料理でも、そこにレモンなどをかけてさっぱりとしたアクセントを加えれば、より白ワインに合いそうです。
このようにワインとの相性が良い食べ物を合わせることで、ワイン単体で味わう以上にその美味しさを感じられるはずです。
●ロゼワイン、スパークリングワインならどんな料理でも合わせやすい!
ロゼワインとスパークリングワインは、どんな料理にも合う万能ワイン。
淡いピンクから濃いピンクまでカラーバリエーションがあるロゼワインは、色によって料理を合わせることもおすすめです。
濃い色のロゼワインには、赤身の肉料理を淡い色のロゼワインには前菜や白身の魚料理を合わせると料理との味わいも見た目もおしゃれな食事になりますよ。
炭酸が含まれているスパークリングワインは、口の中をさっぱりさせてくれるためコロッケや唐揚げなどの揚げ物との相性がぴったり。
赤ワインや白ワインと違ってどんな料理にも合うので、どのワインにしようかと迷ったときは選んでみてはどうでしょう。
ワインを飲みやすくする方法③ 好きな食べ物と合わせる
ワインと食べ物のかけ合わせによって生まれる美味しさは未知数です。
先ほどお伝えした組み合わせはもちろんですが、基本的には自分の好きな食べ物を合わせるのが一番のおすすめ。
少し苦手と感じるワインでも、好きな食べ物と一緒なら挑戦しやすそうですよね。
一見「ワインには合わないかも?」と思うようなものも意外に相性が良いということも。
いろいろ試しながら、自分だけのオリジナルのマリアージュを見つけてみるのも楽しそうです。
ご自身にぴったりの組み合わせを探してみませんか?
自分の好きなものを食べながらワインも美味しく飲めれば最高ですよね。
ワインを飲みやすくする方法④ 空気に触れさせる
買ってきたワインを口にしたら渋みが強くて飲みにくかった…という経験はありませんか?そんな時にオススメなのが、ワインを空気に触れさせることです。
ワインは空気に触れることで味わいがまろやかになったり、香りがより豊かに広がって美味しくなります。ワインの渋みが強くて飲めない時、今回ご紹介したようなカクテルにするのも良いですが、ぜひその前にワインを空気に触れさせて味わいの変化を楽しんでみてください。渋いと思ったワインが、実はあなた好みの素敵な味わいに変化するかもしれません。
●スワリング
ワインを空気に触れさせるのに一番お手軽で誰でもできるのがスワリングです。
グラスに少しだけワインを注いでクルクル回して空気に触れさせる方法で、少々時間はかかりますが、味わいが少しずつ変化するのを楽しむことができます。
●デキャンタージュ
手っ取り早くワインを空気に触れさせたい方におすすめなのが、専用の道具を使う方法です。
最もポピュラーなのはデキャンタで、ワインを移し替える水差しのような容器のことを指します。
ワインが空気に触れる面積が大きいので、味わいの変化も感じやすいですよ。収納時にかさ張るというデメリットもありますが、ワイン好きの方は一つお手元にあっても良いかもしれません。
デキャンタやデキャンタージュについては、こちらのコラムでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
●エアレーター
エアレーターもデキャンタと同じく、ワインを空気に触れさせるための道具です。
エアレーターはコンパクトで場所を取らない、技術が必要なく誰でも簡単に扱えることから、人気が高まっています。
ワインボトルの口に付けるタイプから、グラスの上にセットしてその中にワインを注ぐものまで色々な型がありますので、ご自分に合ったものを選んでみてくださいね。
ワインは銘柄も多く、飲んでみるまで味わいが好みか分からない場合も多いですが、工夫次第で飲みやすくなるので、色々試してみるのも楽しいですよ。そうする中で、あなた好みの1本や飲み方が見つかるかもしれません。
ワインを美味しく飲むためのポイント
種類やアレンジ以外にも、次のことに気をつけるとワインはもっと美味しく飲むことができます。
●ワインの温度
ワインは、飲むときの温度によって味や風味の印象が変わるお酒です。
一般的に赤ワインは常温(10~18℃程度)で、白ワインは冷やして(5~14℃程度)飲むのが美味しいといわれています。
赤ワインは温度が高いと渋みがまろやかに感じられるため、常温に近い方が良いとされています。
渋みやコクよりもフレッシュさや酸味が味の中心となる白ワインは、冷やした方が美味しいといわれています。
ワインを飲むときは温度のことも考えると、ワイン本来の美味しさが味わえます。
●一度開けたワインは早めに飲み切る
ワインは一度栓を開けると、時間が経つほどに風味が変化します。
これは、ワインには空気に触れると酸化が進むという性質があるためです。
そのためワイン本来の美味しさを味わうには、一度開けたらできるだけ早く飲み切るのがポイント。
ホームパーティーなどの人数が多いときなら、みんなで一緒にワインを楽しみながらその場で飲み切ることもできそうですね。
また、余りそうだと思ったらハーフボトルのワインを買うというのも手です。
ワインを美味しく飲む方法は様々あります。
いろいろなワインの種類や飲み方から好きなもの見つけて、ワインの魅力を楽しんでみてくださいね。
●ワイングラスで飲む
ワイングラスは、ワイン本来の味わいを引き出すために設計されています。
飲み口がすぼまった形のグラスは、グラスの中に香りがこもりやすいため長くワインの香りを楽しむことができますよ。
飲み口が広い形のグラスは、甘口の白ワインを飲むときにオススメです。口に入るワインの量が多くなるため、よりまろやかに味わえます。
また、グラスが風船上に広がっている形状は、ワインをグラスに注ぐときに空気にたくさん触れさせるための効果があります。
ワインの種類と同様にワイングラスにも数多く種類がありますが、初心者の方にはどんなワインでも使うことができる万能型のグラスがおすすめです。
ワイン本来の味わいを最大限に引き出す為にワイングラスに注いで楽しんでみてはいかかでしょうか。
ワインを飲みやすくする方法⑤ホットワインにして飲む
購入したワインが飲みにくかった時におすすめなのがホットワインです。
ホットワインは、ワインにシナモンなどのスパイスやハーブ、フルーツやはちみつなどの甘さを加え温めたものです。
ワインをアレンジする点でカクテルと似ていますが、温めることでアルコールが和らぐのでお酒に弱い方にもぴったりです。また、自分の好みで甘さを調節しやすいので、ワインの渋みが強すぎる時に特におすすめですよ。夏はカクテル、冬はホットワインと季節によって楽しむのも素敵ですね。
ホットワインと言えば赤ワインのイメージが強いですが、実は白ワインでも美味しくいただけます。今回は赤ワインと白ワインを使ったレシピをいくつかご紹介します。
●赤ワイン+砂糖+レモン+シナモン+クローブ
甘さが程よく控えめの定番のホットワインです。
赤ワインは、フルボディのものでも渋みが抑えられているため渋みが苦手な方にもおすすめです。スパイスとしてクローブを入れるとよりスパイシーな香りを楽しめますよ。
●赤ワイン+マーマレード
マーマレードに含まれるオレンジの皮が赤ワインとよく合うホットワインです。
カップにワインとマーマレードを入れ温めるだけでできるので、ワインが余ってしまったときにぜひ試してみて下さい。
●白ワイン+砂糖+リンゴ+シナモン
リンゴの甘酸っぱさとスパイスの香りが白ワインに合うホットワインになります。リンゴとシナモンを加えることでデザートワインのような甘さを楽しむことができます。
●白ワイン+砂糖+レモン+シナモン
レモンの酸味がさわやかで、すっきりとした飲みやすいホットワインになります。赤ワインと比べて渋みが少なくクセもないため初心者の方にもおすすめです。
いくつかレシピをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?お好みの甘さに合わせてはちみつや砂糖の量を変えて自分の好みにあうホットワインのアレンジを探してみてくださいね。