ワインコラム

ワインのテイスティングは2種類ある!?それぞれのお作法を紹介

ワインのテイスティングと言えば、皆さんは何をイメージしますか? レストランでグラスに少しだけワインを注がれて味見を促されるシーンや、テレビでソムリエが素敵な表現でワインを語る姿をイメージする人が多いかもしれませんね。ワインのテイスティングは主に2種類あり、味や状態を確認する「ホストテイスティング」と、ワインの魅力を感じとり、人にわかりやすく表現する「利き酒」としてのテイスティングがあります。今回はそれぞれについて、詳しく解説します。

ドラマで良く見るあのシーン!ホストテイスティングは「味見」ではない?

ホストテイスティング

ホストテイスティングは、レストランでソムリエが持ってきたワインが注文したワインで間違いないか、ワインが痛んでないかを確認するものです。テイスティング=味見と思っている人もいるかもしれませんが、あくまでワインの状態等を確かめるためのもので、「好みじゃない」という理由でオーダー変更はできないのでご注意ください。また、「ホスト」テイスティングなので、もてなす側や会の主催者、男女のデートだと男性がテイスティングするのが通例です。
ホストテイスティングでは、まずソムリエが持ってきたボトルの確認から始めます。自分たちが注文した銘柄、ヴィンテージ、生産者で間違いないか目視し、問題なければグラスに少しだけそのワインを注いでもらい、香りや味をチェックします。重度のブショネ(傷んだワイン)はカビ臭いので、飲まなくてもわかるでしょう。あまりワインに詳しくない方や、テイスティングに自信がない方は、ソムリエにテイスティングをお願いすることもできるので、無理をせず相談してみてください。

「利き酒」としてのテイスティングで味覚と表現力を磨いてみよう!

ワインのテイスティング

「利き酒」という意味でのテイスティングは、ワインの香りと味について他の人にわかりやすく伝えたり、ワインの銘柄やぶどう品種、年代を当てたりすることを言います。ワインがテーマの漫画やドラマなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか。

「利き酒」としてテイスティングする場合、まずワインの色や粘度を見ます。それから香りを確かめ、最後にワインを口に含んでその味わいを確認します。ワインのテイスティングはとても繊細で奥深いため、ソムリエやワインエキスパートの試験で苦戦する人も多い難関ポイントです。今回はそれぞれの行程のポイントをいくつかご紹介したいと思います。

●ワインの色・粘度
ワインの色は、熟成度合いやぶどう品種などで異なります。赤ワインなら若いワインほど薄い紫で、ヴィンテージが古くなるにつれて色が深くなる傾向にあります。白ワインなら、薄いグリーン→黄色→茶色と、熟成を重ねて変化していきます。ぶどうの品種や産地などによる色合いの違いは、ワインのカラーチャートがあるので、参考にしてみてください。

●ワインの香り
色の次は香りを確認します。まず、グラスに注がれたワインの香りをそのまま嗅いで、どんな香りか自分なりに感じたことを言葉にしてみましょう。メモを取ってもいいですね。次に、グラスを静かに3~5回ほどまわし、ワイン全体を空気に触れさせてからもう一度香りを嗅いでみてください。ワインによっては変化が分かりにくいかもしれませんが、最初とはまた違う、豊かな香りを感じることができるでしょう。ソムリエは、こうした香りの変化のみならず、さまざまな香り成分を嗅ぎ分けることで、ぶどう品種やヴィンテージ、銘柄、産地などを予測することもできます。

●ワインの味わい
最後にワインを飲んでみましょう。ワインは、「舌の上で転がす」ように味わうと、果実味や酸味などの複雑な味わいがよく分かるので、自分が感じたそのワインの魅力を言葉にして伝えましょう。

ワインとゆっくり向き合える「テイスティング」を楽しんでみよう

自宅でテイスティング

「テイスティング」という言葉を使うと、とてもハードルが高いことのように思えますが、自宅やお店で「ワインをじっくり味わってみよう!」と気軽にテイスティングを楽しむのも良いですね。友人たちとワインを持ち寄ってクイズ形式で楽しんだり、手ごろなワインをいくつか購入して一人でゆっくり味わってみると、その奥深さを知ることができます。
本格的なテイスティングをしたいという方は、国際基準でテイスティングに向いているとされるISOグラスがおすすめです。ご自宅でもソムリエ気分が味わえますよ。また、テイスティングは明るく白が基調の空間で行うと、ワインの色がわかりやすくて良いと言われています。色の違いが分かりにくい人は、白い紙や布をバックにしてワインをよく観察してみてください。
ゆっくりワインと向き合えるテイスティングは、始めるとはまってしまう人が多く、中にはソムリエの資格を取る人もいますが、まずは肩ひじ張らずにご自宅などで気軽に楽しんでみてくださいね。